2013年
2月
28日
木
平凡社と北京の三聯書店、日中の出版社によって共同出版された『魯迅の言葉/魯迅箴言』。
昨年の第46回造本装幀コンクール、第18回APPA(アジア・ 太平洋出版連合)出版賞につづき、この度はるばる海を越えて、権威ある「世界で最も美しい本2013」銀賞を受賞しました。
ともに編訳作業の苦楽を共にした韓氷いわく、
「中国陝北の長老たちへ、ドイツの専門家たちへ。この本の描く動線は広い」!
2012年
12月
14日
金
昨日、東京・神田の竹尾 見本帖本店で開催中の「本の贈り物展」に行ってきました。
贈りものに最適な本と、その包み方をご紹介するこの展示会では、お歳暮、クリスマス、お年賀用に平凡社やエクスプランテの本33冊が選ばれ、
包装のサンプルとともに会場に展示されています。
アートディレクター・折形デザイン研究所の山口信博さんが包装に適した紙(5種)と紅白の水引(2種)をセレクト、
さらに下中菜穂さんが8種類の「もんきりのし」を制作、
それらを組み合わせて本を美しくみせる包み方を提案しています。
2012年
8月
28日
火
久しぶりに小学校に帰った。
都市化が進んでいる北京の周縁にある村の中の小学校である。
村の住民のほとんどは出稼ぎ労働者で、田舎から出て北京の都市建設に携わっている。
彼らは毎日市内に通って働くが、都市部の拡大によって、住める場所がどんどん外へと押しやられている。三環路から四環路へ、そして五環路へ。
2012年
8月
13日
月
立川の素敵なブック・セレクトショップ、「オリオンパピルス」さんの「棚っていいとも!」というシリーズ展示。
「一つの棚を自由につかう」というシンプルなお題で、「おともだち」つながりで紹介された人が1か月ほど展示する、という不思議なコーナーです。
一芯社・丹羽にお話をいただいて、下中なぼさんに相談しつつ、悩んだあげく出来上がった展示は、その名も、〈盆棚〉です。
2011年
8月
06日
土
竹内信夫先生(ご専門はフランス文学や空海の研究)が、
『みすず』8月号掲載のエッセイ「北京つれづれ」のなかで『魯迅の言葉・魯迅箴言』に触れてくださったことが、平凡社の編集者山本さんから丹羽さんへ、そして私へと伝わった。
一冊の本が世に生まれてから描く独特な動線に思いを馳せながら、さっそく送られてきたPDFファイルを開けてみた――。
(*竹内先生の文章の抜粋は、「掲載情報」をご覧ください。)
2011年
5月
03日
火
中国の文学者魯迅は日本でも広く、深く読まれてきた。
しかし、中国人と日本人が一緒に、一冊の魯迅言葉集を作り上げることにいたっては今回ははじめての試みだ。
中国国内の魯迅研究者によって編集された『魯迅箴言』(365句)を親本としつつ、そこからさらに130句を選り抜き新しい一冊に仕上げるプロセスは、チームの各人にとって新鮮な体験となっていた。
どの言葉を取り、取らないか。その理由はなぜか。
並べることでいかに言葉群の内在的関連性を洗い出し、石ころの集まりを美しい星座へと変えることができるか。
バックグランドから来る読みの違いのため時に論争もあったが、かえってより豊かな魯迅の世界が浮かび上がったのではなかろうか。
そして魯迅が描いた世界風景は今日の世界になお通底していること、魯迅が語った個としての生き方は今日いっそう困難となり、必要となっていることなどを、この作業で学んだ。
――編者の一人、韓氷より
2011年
4月
20日
水
(一芯社の仕事ではなく)丹羽の研究者としての仕事ですが、
4月中旬に『ものの人類学』という研究書が京都大学出版会より刊行されました。
この本、表紙が1冊1冊すべて違っている、というのが少し自慢なんです。
というのも、私のフィールドである中国陝北地方の農村に住む女の人たちの手づくり剪紙(切り紙細工)の実物が1冊に1枚、ついているのです!
2011年
3月
22日
火
震災以降、ラジオから、いつもよりたくさんの詩が聴こえてくるように思います。
日々の穏やかな暮らしや、
人々のあたたかなやりとり、
美しい自然とともにある大地、
大切なものに気づき、愛しむたくさんの声が響いています。
地球へのピクニック
谷川俊太郎
ここで一緒になわとびをしよう ここで
ここで一緒におにぎりを食べよう
ここでおまえを愛そう
おまえの眼は空の青をうつし
おまえの背中はよもぎの緑に染まるだろう
ここで一緒に星座の名前を覚えよう
ここにいてすべての遠いものを夢見よう
ここで潮干狩をしよう
あけがたの空の海から
小さなひとでをとつて来よう
朝御飯にはそれを捨て
夜をひくにまかせよう
2010年
12月
28日
火
2010年も暮れようとしています。
一芯社を始めた今年、多くの方々に本当に多くのことを教えていただきました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
来年は、現在編集を進めている数冊の本を、皆様にお見せできる予定です。
その前に、なにかよい正月準備はないかなあ・・・と思い、
私的な切り紙図鑑を「Book Labo.」のページにアップしました。
題して、「育つ、私的図鑑:切り紙編」。
2010年
9月
01日
水
第17回東京国際ブックフェアに初参加して2ヶ月も立たないうちに、北京では第17回北京ブックフェアを迎えた。
この2ヶ月間で、出版一年生の自分が少しは成長したかはわからないけれど、前回のお祭り気分もだいぶ落ち着いて、2つの広々した展示ホールをゆっくり歩き回りながら、本の大家族の中から選りすぐられて棚に飾られた幸運児たちに挨拶したり、多種多様な工夫を競う各国のパビリオンのデザインを楽しんだり、活発に商談を行っ ている先輩たちにひそかな敬意を表したり……