第17回東京国際ブックフェアに初参加して2ヶ月も立たないうちに、北京では第17回北京ブックフェアを迎えた。
この2ヶ月間で、出版一年生の自分が少しは成長したかはわからないけれど、前回のお祭り気分もだいぶ落ち着いて、2つの広々した展示ホールをゆっくり歩き回りながら、本の大家族の中から選りすぐられて棚に飾られた幸運児たちに挨拶したり、多種多様な工夫を競う各国のパビリオンのデザインを楽しんだり、活発に商談を行っ ている先輩たちにひそかな敬意を表したり……
気に入った本があっても買えないのは、クリスマスセール的な楽しい気分漂う東京ブックフェアとは違って残念だったけれど、こうして版権売買が確実に行われ、書物の世界旅行が展開していくんだな、と思うと、身が引き締まった。
もっとも人気を集めていたのは、外国の児童書、特に絵本のコーナー。
言葉が通じなくても絵でわかる幼児と同じように、しばし心のふるさと――幻想の国に浸っている大人たちの姿。明らかに挿絵勉強の栄養を吸収しようとやってきた風情の、若い学生の中国語が後ろから聞こえ、思わずにっこり。
中国の児童書出版社のブースには、中国本土の作品の隣に翻訳物がずらりと並ぶ。
大人たちが世界文学の経典を共有するのと同じく、子供たちだって自分たちの経典を共有するに違いない。
ひるがえって、わたしの子供時代といえば、連環画。
掌サイズで、国内外の名作文学のダイジェストに絵を配したもの。
(当時は知らなかったけど有名な画家さんも筆を振るっていた)
今でもたまに手にとると、猛烈に郷愁におそわれるとともに、絵本を楽しめる今の子供たちがいささか羨ましくもある。
会場をあとにして、日本から見学に来た友人たちと向かった先は「後海」――故宮の後ろにある人工湖。蓮華が実るこの季節、たまに蓮の花が咲いているのが発見できて楽しい。
水面にのぞむ欄干により掛かって飲む白ワインが、美味しかった。
(韓氷)
コメントをお書きください